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お芝居「海辺のカフカ」 [シアター&シネマ]

さいたま市の彩の国さいたま芸術劇場でお芝居「海辺のカフカ」を観てきました。

20151003 海辺のカフカ.JPG
(10月3日 18:30開演、S席10800円、1階M列7番)

先日の「NINAGAWA・マクベス」に続いての蜷川作品の観劇。
村上春樹作品とのコラボレーションに興味があっての選択です。

原作:村上春樹「海辺のカフカ」
脚本:フランク・ギャラティ
演出:蜷川幸雄、演出補:井上尊晶
美術:中越司
出演:宮沢りえ(佐伯、少女)、藤木直人(大島)、古畑新之(カフカ)、鈴木杏(さくら)、柿澤勇人(カラス)、高橋努(星野)、鳥山昌克(カーネル・サンダーズ)、木場勝己(ナカタ) ほか

主人公の「僕」は、自分の分身ともいえるカラスに導かれて「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意し、15歳の誕生日に父親と共に過ごした家を出る。
そして四国で身を寄せた甲村図書館で、司書を務める大島や、幼い頃に自分を置いて家を出た母と思われる女性(佐伯)に巡りあい、父親にかけられた"呪い"に向き合うことになる。
一方、東京に住む、猫と会話のできる不思議な老人ナカタさんは、近所の迷い猫の捜索を引き受けたことがきっかけで、星野が運転する長距離トラックに乗って四国に向かうことになる。
それぞれの物語は、いつしか次第にシンクロし、、、

自分のやるべきことを成し終えたナカタさんが深い眠りの中で静かに息を引き取ったあと、その死に気づいた青年・星野くんの心情を描写したくだりが印象に残る。
「人間にとってほんとうに大事なのは、ほんとうに重みを持つのは、きっと死に方のほうなんだな、と青年は考えた。死に方に比べたら、生き方なんてたいしたことじゃないのかもしれない。とはいえやはり、人の死に方を決めるのは人の生き方であるはずだ。」

原作と同様、お芝居も良かった。
個々の登場人物の物語がシンクロする様子をどのように舞台で描くのかと楽しみにしていたら、舞台装置が面白かった。
コンテナのような箱状のフレームに一つの場所が作られ、話の展開に合わせて、スライドさせて入れ替えながら場面転換するのです。
入れ替え作業は人力。黒子の人たちはさぞ大変だったでしょう。なにしろ、頻繁にスピーディに入れ替えを行わねばならないのですから。
なるほどといった演出方法です。

出演者も見るポイントでした。
宮沢りえちゃんは、少女と母親という二役を演じ、透明感のある歌声も聞かせてくれました。
藤木直人さんの演技を見るのは初めてですが、大島という中性的な人物のイメージに合っていました。

今回の公演は、ワールドツアーの凱旋公演。
実は、ツアー最初のロンドン公演(5月、Barbican Theatre)に行けるかも、と目論みましたが、ロンドン行きを直前で取りやめたので、国内公演を観ることにしたのです。
またいつか再演を見たいと思った舞台でした。

【おまけ1】
予習で読んだ本。
20150930 海辺のカフカ.JPG

表紙の写真に載っている丸い石が、私がオーストラリアで買ったアボリジニのデザインを描いた石にそっくりだったので驚き。

こんなに先に先にと読み進めたいと思った本は私の少ない読書歴のうち初めてかも。

【おまけ2】
初めて行く、さいたま芸術劇場。
最寄駅(JR埼京線、与野本町駅)から徒歩7分ほどのアプローチ、歩道には観劇に向けて気持ちを高めてくれる仕掛けがなされています。

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歩道に電光板で芝居の有名作品の名台詞が埋め込まれているのです。

さらに、芸術監督・蜷川幸雄さんをはじめ、過去に出演した俳優たちの手形とサインも。
20151003 さいたま芸術劇場へ5.jpg


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タグ:文学
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