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ザハ・ハディド展 [建築&インテリア]

初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の「ザハ・ハディド展」を観てきました。

20141126 ザハ・ハディド展1.JPG
新国立競技場のデザインイメージ

ザハ・ハディド(Zaha Hadid、1950-)を知ったのは2007年11月にロンドンのDesign Museumで企画展を見たことから。
彼女はこれまで数々の国際コンペティションで勝利するものの、その設計が当時の施工技術や建築思考に収まらない前衛的なものであったため、実際に建てられることはなく「アンビルト(unbuilt)の女王」の異名が付いたそうです。
そんな彼女の建築家としての30年の軌跡を追う展覧会。

20141126 ザハ・ハディド展2.JPG

上段 左:新国立競技場、東京、2012- 右:ザハ・ハディド
下段 左から:
 ヴィトラ社消防所、ヴァイル・アム・ライン、1991-93竣工
 ヘイダル・アリエフ・センター、バクー、2007-12竣工
 ザ・ピーク、香港、1982-83(未建設)
 ムーンスーン・レストラン(内装)、札幌、1989-90完成

展覧会の会場構成は次のとおり。

1.アンビルトの時代/日本との関わり
イラクの進歩的な家庭に生まれたザハ。多様な文化的背景をもつ人々と交流しながら少女時代を過ごし、ベイルートの大学で数学を学ぶ。
1972年に渡英し、幼いころからの夢であった建築家を目指す。
1980年に独立後、国際コンペティションで勝利し、世界的な注目を集めるようになりながら、そのプロジェクトは計画途中で中止となり、10年以上も実作に恵まれなかった。この期間、建築と都市に関する膨大なリサーチと実験を繰り返した。
札幌のレストラン(↑のムーンスーン)の内装がキャリア初の実現プロジェクトとなった。

2.三次元を操る/形にこめられた意志
1993年、ヴィトラ社消防所(↑下段左)が竣工を迎えたプロジェクト。
コンピュータによる三次元解析、施工技術の進歩や建築の新しい姿を求める人々によってようやくザハの設計が実現することになり、現在も世界各地で複数のプロジェクトが進行中。
時代がやっと彼女の思考に追いついてきたということでしょうか。

3.シームレスな思考/プロダクトから都市計画まで
彼女のデザインは巨大な建物、都市計画といった大規模プロジェクトのみならず、カトラリーや家具、照明器具、アクセサリーなどのプロダクトにも至ります。

ある時は流線形、ある時は直線的なデザイン。
建築物にしても洋服などにしても、そのデザインを実際に形にする際、素材選びやパターンをおこす(サイズや形を決める)人の技量が左右すると思います。
建築の場合、人がそこで生活するので命にもかかわるから見た目だけでなく、強度や居住性なども重要。

私がアメリカに留学していた頃、ルームメイトが建築を専攻していたので(今はバンコクで建築のプロジェクト・マネジャー)、竹ヒゴや石膏でデザイン模型を作ったり、コンクリートの強度試験をしたという話を聞いたりしていたので、私も知らず知らずのうちに建築に興味を持つようになったのかもしれません。

4.<新国立競技場>で目指すもの
2020年東京オリンピックの会場にもなる新国立競技場。国際デザイン・コンクールで最優秀賞に選ばれたザハの設計案が採択された後、景観や建設費用などの面でさまざまな議論が行なわれています。
果たして実際に建設が完成するのか?

会場内では彼女の精緻な手書きドローイングやプロジェクトの模型、完成した建築物を紹介する映像、新国立競技場のCGや模型などが展示されており、それ自体がスケールが大きい。

【同時開催】
「不可視のヴェール ー高畠依子の絵画」
まるでキャンバスに毛糸で立体的に刺繍したかのように見える絵画。実は、絵具を糸のように細く絞り出して描く独自の技法。

収蔵品展「抽象の楽しみ 寺田コレクションより」
私の好きなアーティスト、李禹煥(Lee Ufan)の作品もあった。


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タグ:建築
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