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神々のやどる器 -中国青銅器の文様ー [アート&デザイン]

勤務先に近い泉屋博古館分館(六本木一丁目)で「神々のやどる器 -中国青銅器の文様ー」展を観てきました。
(「木島櫻谷展」を見て以来およそ半年ぶりの来館)

20181116 神神のやどる器.jpg

今回はネットでブロガー内覧会があるという情報を得て申し込んだところ、応募者が少なかったとのことで抽選にもれることなく参加できました。

中国青銅器と言えば、これまでも岡田美術館や根津美術館で見てきましたが、鼎(てい:把手が二つ付いた三本足の鍋)や尊(そん:口がラッパ状に大きく開き、高い圏足を持つ器)といった形状に注目することが多かったのですが、今回は文様やモチーフに着目した展覧会です。

では、展示模様を簡単にご紹介。
(今回は美術館より特別に許可をいただいたので写真撮影可でした。また、文様がテーマなので作品の単体撮影や部分ズームもOKでした)

20181116 神神のやどる器1.jpg
作品の写真撮影をしている他の参加者とは異なり、私はイケメン学芸員を撮影(笑)

展示構成は次のとおり。

●青銅器にあらわされた動物

虎に食べられそうになっている人間?
20181116 神神のやどる器2.jpg
「虎卣(こゆう)」商時代後期(紀元前11世紀)、泉屋博古館蔵

よーく見ると、動物だらけ。
鹿が乗っていたり、把手の付け根に獏がいたり、龍や蛇がうねっていたり。

前後左右から見た写真と照らし合わせて確認できるようになっています。
20181116 神神のやどる器3.jpg

柔らかい関西弁で解説をしてくれたイケメン学芸員さんいわく「隠れミッキーを探せ!」
そういう楽しみ方もあるようです。

こちらは把手の前後がミミズク。ちょっと内股なのが愛嬌。
20181116 神神のやどる器4.jpg
「戈卣(かゆう)」商時代後期(前12世紀)、泉屋博古館蔵

危ない!蛙が蛇に食べられてしまう!
20181116 神神のやどる器7.jpg
「蛙蛇文盤(あだもんばん)」春秋時代前期(前7世紀)、泉屋博古館蔵

●饕餮(とうてつ)文
商時代から西周時代前半にかけて、器の最も目立つ位置(腹部中央など)に、怪獣の顔面を大きく表現することが流行したそうで、この顔面文様を「饕餮文」と呼ぶそうです。
饕餮とは、もともと大食らいの鬼の名前でしたが、邪悪な悪霊を食らい尽くすものとして、いわゆる魔除け的な意味合いを持つようになったようです。
天の最高神をあらわした文様、最高神の使者をあわらした文様とも。

縦に通った鼻筋の両側に眼、耳、その上には角などが表現されています。
私としては、肩に乗った動物たちのほうが気になったけど。
20181116 神神のやどる器5.jpg
「犠首方尊(ぎしゅほうそん)」商時代後期(前12世紀)、泉屋博古館蔵

●特別展示 「骨杯」と「骨柶」 黒川古文化研究所蔵
●商周時代の龍
中国古代では、龍は、空中を自由に飛翔して神あるいは神の使いとして重要視された空想上の動物。

これも龍。
20181116 神神のやどる器6.jpg

20181116 神神のやどる器8.jpg

●青銅器の種類 -酒器ー
●青銅器の種類 -食器ー
●青銅器の種類 -楽器ー

これは鐘。実際に叩いて音を聞くことができるレプリカも展示されています。(2か所を叩く)
20181116 神神のやどる器9.jpg
「兮仲鐘(けいちゅうしょう)」西周後期(前8世紀)、泉屋博古館蔵

よく見ると、文字が彫られています。
ただし、青銅器は鋳造して作られるので、模様を彫ったのは鋳型のほう。
文字や細い線で精密な文様をあらわす技術、超絶技巧に驚きです。
青銅器そのものの厚さは数ミリというのもビックリ。

20181116 神神のやどる器10.jpg

●青銅鏡にあらわされた龍
●鳳凰

20181116 神神のやどる器11.jpg
「双鸞仙岳文八花鏡(そうらんせんがくもんはっかきょう)」盛唐(8世紀)、泉屋博古館蔵

●四神
●青銅鏡にあらわされた人物像
●久津川車塚古墳出土鏡(重要文化財)

自分で説明文を見ながら鑑賞するのとは違い、専門の学芸員さんから製法や見どころなどの詳しい説明があり、普段なら見過ごしてしまいそうな作品の面白さも感じられました。
青銅祭器の器種と商周青銅器の文様についての説明書もいただき、復習に役立ちました。
 ※日本で殷(いん)と呼んでいる時代は、中国では商というようです

お土産に招待券とポストカードもいただきました。
20181116 神神のやどる器12.jpg

美術館周辺では、音楽が流れるイルミネーションもキレイです。
20181116 神神のやどる器13.jpg


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シンプルギフト はじまりの歌声 [シアター&シネマ]

有楽町スバル座(有楽町ビル2階)で映画「シンプルギフト はじまりの歌声」を観てきました。

20181116 シンプルギフト.jpg
金曜ファーストショウ割引1400円

エイズで親を失くしたウガンダの子どもたちと東日本大震災で津波に親を奪われた東北の子どもたちが、ブロードウェイの舞台に挑戦する軌跡を追ったドキュメンタリー。

監督:篠田伸二
2017年、日本、90分
日本語版ナレーション:紺野美沙子
英語版「Daddy Long Legs」、フランス語版「Papa-Longues-Jambes」

ウガンダと東北の子どもたちにブロードウェイへ行かないかと提案した日本人タマイとは、あしなが育英会(ASHINAGA)の創設者である玉井義臣のこと。
その着想のもとになったのがアメリカで誕生した小説「あしながおじさん」。

孤児院育ちの少女ジュディがある資産家の目に止まり、その資産家に毎月手紙を書くことを条件に大学進学用の奨学金を受け、そこから彼女の人生は一変する。たとえ親のいない子供でも、教育を受けることで人生に初めて喜びを見つけ、未来に希望を抱くというシンデレラ物語。

その著者は若き女流作家ジーン・ウェブスター。
まだ女性が大学で学ぶことすらできないその時代、真っ先に女性に門戸を開いたアメリカの名門ヴァッサー大学出身で、その学生生活が小説のモデルにもなった。
彼女自身も父親を自殺で失くし、親のいない子供たちのための慈善活動をやっていたという記録も残されている。
*ヴァッサー大学の卒業生の中には、ケネディ大統領夫人ジャクリーン・オナシス、女優メリル・ストリープらもいる

素人の子どもたちのブロードウェイ・コンサートは、教育支援のために手を挙げてくれる潜在的な「あしながおじさん」にアピールするための手段だった。

プランに共感し、コンサート実現のためにともに尽力したのが、英国の舞台演出家ジョン・ケアード。(ミュージカル「レ・ミゼラブル」などで舞台のアカデミー賞とも言われるトニー賞を2度受賞している名匠)
彼はかつてミュージカル「あしながおじさん」の演出が縁で、玉井と懇意になっていた。

歌唱指導を担当するのは、ヴァッサー大学コーラス・ディレクターのクリスティーン・ハウエル。
ヴァッサー大学コーラス部のお嬢様たちも子どもたちと一緒に舞台に立つ。

アフリカや東北の子供たちが、歌やダンス、太鼓演奏の猛練習を重ね、ついには思いもしなかった念願の舞台に立つ。
彼らの成長とその後の逞しい変化のプロセスを追いかけた4年間のドキュメンタリー。

子どもたちの純粋さ、健気さ、パフォーマンスに感動の涙が自然と流れてきました。
多くの子どもたちにも是非見てもらいたい映画。(文部科学省選定作品)

【おまけ】
スバル座が入っている有楽町ビルの隣、新有楽町ビル B1F にある喫茶店、はまの屋パーラーでランチ。

20181116 はまの屋パーラー.jpg

名物のサンドイッチ(二種類選べる、今回は野菜と玉子)とバナナジュースをいただきました。
パンはトースト(+30円)してもらうこともできます。
バナジューは濃厚で美味しい。
メニューを見ると、クリームソーダやホットケーキなど、郷愁をそそるものも。
高齢のお店の方々が働く、昔ながらの喫茶店の雰囲気も含め、いい感じの穴場のお店です。
また行こうっと。


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