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レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル [アート&デザイン]

六本木ヒルズの森美術館で「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」を観てきました。

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金沢21世紀美術館のコミッションワークのひとつ、「スイミング・プール」の作者として知られるレアンドロ・エルリッヒ(1973年、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ)の世界最大規模の個展。
新作を含む40点を超える作品、しかもその8割は日本初公開という、観る前から気持ちが高まる展覧会でした。

「Building(建物)」というこの作品、実は、床面に寝転んでポーズをとっている人たちの姿が斜めに置かれた大きな鏡に映り、ぶら下がっているように見えるもの。
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「Hair Salon(美容院)」
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鏡の向こうにいるのは自分とは違う他人。そう、鏡はなく枠だけ

「Changing Rooms(試着室)」
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鏡なのか枠のみなのか、実際の奥行きは不明。迷宮に迷い込んだかのよう

「Lost Garden(失われた庭)」
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私がこちらから写真を撮っているのに、向こうに私がいる!

「The View(眺め)」
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隣のマンションの住人たちの日常生活を覗き見している罪悪感

「The Democracy of the Symbol(シンボルの民主化)」
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ブエノスアイレスの大通りにそびえ立つオベリスクの先端が切り取られ、ポンと置かれたような立体作品。
一般市民は、その先端部の中に入り窓から街中を眺められる(実はモニターに映像が流れる)仕掛け。

「The Classroom(教室)」
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二枚のガラスで仕切られた部屋。
手前から見ている観客が向こう側に亡霊のように映り込み(黒板に映っているのは私の顔)、教室に実際に座っている観客の姿は向こう側には見えない。
廃校の教室を使った作品。
少子化と過疎化。過去と現実。そこから未来を見る(考える)というメッセージがこめられている。

「The Cloud(雲)」
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何枚ものガラスに白いセラミックインクで日本の国(島)の形を描いた作品

「Port of Reflections(反射する港)」
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水面に小舟が浮かんでいるように見えますが、揺れをコンピュータで計算した立体作品

「見えていることだけが、現実ですか?」(チラシに書かれたフレーズ)

私たちが知らず知らずのうちに持っている固定観念、常識的な見方・考え方をいい意味で気持ちよく覆してくれる。
作品の中に身を置き体感するうちに、錯覚を利用した仕掛けに気づくと、なーんだ、と自分がいかに既成概念にとらわれているかを痛感・自覚させられるのです。


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タグ:現代アート
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