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吉例顔見世大歌舞伎 初世松本白鸚三十三回忌追善 [シアター&シネマ]

文化の日、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎 初世松本白鸚三十三回忌追善」夜の部を観に行きました。

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(私の席は1等席、1階7列1番。花道の俳優を間近に見られる場所)

午後4時30分開演、9時ごろ終演。
一、御存(ごぞんじ)鈴ヶ森(すずがもり) 四世鶴屋南北作
 東海道品川宿に近い鈴ヶ森。盗賊と化した雲助たちが通りかかった前髪の美少年・白井権八(尾上菊之助)に襲いかかるが、権八は次々と切り捨て追い払う。その様子を窺っていた侠客・幡随院長兵衛(尾上松緑)は権八に感心し、二人は江戸での再会を約束して東海道を上がっていく、という名場面の一幕。

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳 長唄囃子連中
 兄頼朝との不和により、都落ちし奥州平泉を目指す源義経(中村吉右衛門)の一行。義経は強力に、武蔵坊弁慶(市川染五郎)ら家臣は山伏に姿を変え、途中の加賀国にある安宅の関で富樫左衛門(松本幸四郎)の詮議を受ける。弁慶が東大寺建立のための勧進の山伏であると名乗ったのに対し、富樫は勧進帳を読むように命じる。機転を利かした弁慶が白紙の巻物を取り出して勧進帳と偽り読み始めた。主君を命がけで守ろうとする弁慶の決死の覚悟に心打たれた富樫は、義経一行だと見破りながらも関所の通行を許す、という人気の名作。

三、義経千本桜 すし屋
 大和国下市村にある釣瓶鮓屋。主人の弥左衛門(市川左團次)は旧恩から平重盛の子息・維盛(中村時蔵)を奉公人の弥助として匿っている。弥左衛門の家に現れたいがみの権太(今は勘当の身の息子、尾上菊五郎)が弥助の素性を知り、恩賞目当てに訴人しようとするところへ、源頼朝に仕える梶原景時(松本幸四郎)が訪れ、弥左衛門に維盛の首を差し出すように命じる。権太が鮓桶に入れた維盛の首と生け捕った妻子を突き出すと、怒った弥左衛門が権太を刀で刺してしまう。権太が息絶えそうになりながら本心を明かす場面が最大の見せ場。古典の名作の一幕。

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市川染五郎が初役で念願の弁慶を演じる「勧進帳」
父の松本幸四郎が富樫、叔父の中村吉右衛門が義経を演じる豪華な顔ぶれ。さらに、富樫の太刀持音若として染五郎の長男・金太郎が登場。
高麗屋の親子三代が同じ舞台にのっている様子を見るのは何とも感慨深い。

実はこの公演、急きょ観ることを決めてチケットを取ったのです。
NHKの「あさイチ」のインタビューに染五郎さんがゲストで出ていて、どれだけ弁慶役をやることをこいねがっていたかを熱く語っている様子を聞き、これは自分の目で見てみなくてはと思った次第。
番組中に、幸四郎さんからのビデオレターで「照薫(てるまさ、染五郎の本名)、弁慶をやれることになって本当に良かったね。お父さんもうれしいよ」と息子に語りかける父親の優しい声に胸がジーンとなりました。

そして、今回もイヤホンガイドの解説でいろいろと勉強しました。(プラス自己学習)
「顔見世」とは。
江戸時代の歌舞伎役者は芝居小屋と一年契約を結んでおり、契約期間は11月から翌年の10月まで。そのため、毎年11月には「うちの芝居小屋はこれから一年間、この顔ぶれでやっていきますよ」と観客に役者の「顔を見せる」重要な興行だったそうです。
今でも京都南座では12月公演を吉例顔見世興行とし、劇場正面に出演する俳優の名前を書いた「まねき」と呼ばれる木の看板(長さ1間=約180㎝、幅1尺=約30.3㎝、厚さ1寸=約3㎝)を掲げることで有名です。太く大きな文字で板いっぱいに出演俳優の名前を書くのは、客席が隙間なく埋まるよう願いを込めてということから。

「櫓(やぐら)」の意味。
江戸時代、幕府公認の証として芝居小屋の正面に揚げられた。
現在は顔見世興行に合わせて揚げられます。
幅3.3m、高さ2.7m。5本の槍を横たえ、2本の梵天(ぼんてん)が組まれており、正面に歌舞伎座の座紋「鳳凰丸(ほうおうまる)」、左右の側面には「木挽町きゃうげんづくし歌舞伎座」の文字を染め抜いた三方の幕で囲われています。

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【おまけ】
歌舞伎鑑賞の別の楽しみ。お土産探しと幕間に食べるお弁当。
お土産は歌舞伎煎餅。勧進帳や助六などの歌舞伎十八番の絵が描かれた包装紙。
お弁当は亀戸升本の隅田川弁当。月替わりのご飯は松茸♪(銀座三越で購入)

20141103 顔見世大歌舞伎4.JPG20141103 升本弁当.JPG


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タグ:歌舞伎
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