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バルテュス展 [アート&デザイン]

上野の東京都美術館で始まった「バルテュス展」に早々に行ってきました。
金曜日は20時まで延長開館していて、割と人が少ないのでゆったり見られました。

20140425 バルテュス展1.JPG

写真はバルテュスと節子夫人、1996年撮影
右の絵は「猫たちの王」というタイトルの29才の自画像 1935年

ピカソが「20世紀最後の巨匠」と呼んだという画家バルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ、1908-2001)
美術史家でポーランド人の父と画家の母のもと、パリで生まれた。
20世紀美術のどの流派にも属さず、独自の具象絵画の世界を築き上げた彼の国内最大規模、没後初の大回顧展。
二度の世界大戦を経験し、フランス、ドイツ、イタリア、スイスの各地を転々と移動した。

会場構成は次のとおり。

第1章 初期
十代の頃の絵。

第2章 バルテュスの神秘
生まれたパリには1932年~53年にも暮らした。初の個展を開いた画壇デビューは1934年。

20140425 バルテュス展2.JPG
左:「夢見るテレーズ」1938年、ニューヨーク メトロポリタン美術館蔵
右上:「読書するカティア」1968-76年、個人蔵
右下:「美しい日々」1944-46年、ハーシュホーン博物館と彫刻の庭蔵

目を閉じ、挑発的な姿勢でのけぞる少女。片膝を立て、横目で本を読む少女。右の胸を半分のぞかせ、虚ろな表情で手鏡を見つめる少女。
どれも扇情的なポーズをとり、官能的で妖しい。
(これらスキャンダラスな絵を見ていると、浮世絵の春画を思い出した)

第3章 シャシー 田舎の日々
フランスの田舎町シャシーの古い城館に暮らし、風景がに開眼。1953年~61年の間に滞在。

第4章 ローマとロシニエール
ローマには1961年~77年滞在。アカデミー・ド・フランスの館長としてローマに赴任。62年に初来日し、節子夫人と出会う。
スイスのロシニエールはバルテュスが晩年(1977年~2001年)を過ごした「グラン・シャレ」がある場所。
会場の一角にはグラン・シャレに今も残るアトリエを再現。

素描や愛用品(杖、贈り物としてもらった和服、室内で履いていたスリッパなど)も展示されている。
  
彼は、絵を描くのには何よりも光が必要だと言っていた。
そして、完成した絵は、光量が絞られた室内空間でどこか一方向から淡い光が差し込んでいるような感じ。夕焼けの光が窓の外から差し込んでくる感じ?
写真撮影で言うと、カメラのレンズに赤かオレンジ色のフィルターをつけて写したような色調。


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タグ:西洋絵画
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イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる [アート&デザイン]

六本木アートナイトが行われた4月19日、入場無料の国立新美術館へ行ってきました。
「イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる」を見るためです。

20140419 イメージの力.JPG
神像付きの椅子「カワ・トゥギトゥ」
民族:イアトムル 国名:パプアニューギニア 1988年収集

まずは会場に入った瞬間から度胆を抜かれる。
上↑の写真のような、全長の半分が顔という巨大な神像(高さ約2mの木造の椅子)が三体、正面を向いて来場者を迎えているのです。
まるで、未開の村に迷い込んだ侵入者を威嚇しているかのような威厳。

怖さから逃れるように会場の中に歩を進めると、今度は四方八方から視線を感じる。
360度、壁一面に顔・顔・顔。
世界各地の仮面、お面の視線が展示室の中心に向かっています。
またしても怖~

冒頭からこんな感じで圧倒的な迫力、生命力に威圧されます。

会場構成は次のとおり。

プロローグ 視線のありか (仮面の展示室)

第1章 みえないもののイメージ
1-1 ひとをかたどる、神がみをかたどる (精霊像、神像、人形など)
1-2 時間をかたどる (ストーリー・ボード、砂絵マンダラ など)

第2章 イメージの力学
2-1 光の力、色の力 (頭飾り、お守り など)
2-2 高みとつながる (墓標、トーテム・ポール、葬送用の柱 など)

第3章 イメージとたわむれる
櫂、樹皮画、各地のカラフルな帽子 など

第4章 イメージの翻訳
4-1 ハイブリッドな造形 (イカや飛行機などの形をした棺桶、床屋用看板 など)
4-2 消費されるイメージ (スチール缶などを材料にした玩具 など)

エピローグ 見出されたイメージ
投擲用ナイフ、農具、漁具 など

国立新美術館の広くて天井の高いホワイトキューブを最大限に生かした展示方法。

大阪にある国立民族学博物館は以前から一度行きたかった場所だったのだけど、ロケーションが少し離れているので、行くのが少し面倒。
今回のように膨大なコレクションから選りすぐりの品を見られる機会はありがたい。

なかなか見ごたえのある展示でした。
これは是非見たほうがいいと思う。(子ども連れにもおすすめ)


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﻾﻾
タグ:民族学
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