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ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900 [アート&デザイン]

新年度の忙しさから落ち着きを取り戻し、久しぶりに美術鑑賞に励んでいます。

先週は仕事帰りの美術館訪問を水曜に続き、金曜にも。
丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900」を観てきました。

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アルバート・ムーア「真夏」(部分)1887年、ラッセル=コート美術館蔵

産業革命で繁栄した19世紀後半の英国で起こったムーブメント。時代に蔓延する醜悪さや物質万能主義から逃れ、新しい美を見出したいという欲求から生まれた「唯美主義運動」。(耽美主義、審美主義とも)
「美のための美を追求する」姿勢によって創造された油彩画、家具工芸品をはじめとする作品およそ140点が展示されています。(その主な作品はロンドンのVictoria & Albert Museum所蔵のもの。私の大好きな博物館のひとつ)

会場構成は次のとおり。

・序
 ウィリアム・ド・モーガンの羽を広げた孔雀を全面に描いた「大皿」
・「美術職人集団」
 ウィリアム・モリスの壁紙「ひなぎく」
・新たな美の探究
 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの絵画「愛の杯」
 フレデリック・レイトンの絵画「パヴォニア」(孔雀の羽の扇をもつ黒髪の女性)
・攻撃ー「詩の肉体派」論争
・遠い過去、遥かなる場所Ⅰ ジャポニスム
・遠い過去、遥かなる場所Ⅱ 古代文化という理想
・ホイッスラーとゴドウィン
 エドワード・ウィリアム・ゴドウィンの飾り棚「フォーシーズンズ・キャビネット」には禅宗寺院建築の特徴、火灯窓(かとうまど)がデザインに取り入れられている。
・ホイッスラーのエッチング
・唯美主義運動とグローヴナー・ギャラリー
・「美しい人々(上流人士)」と唯美主義の肖像画
 エドワード・バーン=ジョーンズのブローチは、七宝細工を施した金にトルコ石と珊瑚、真珠、ルビーを象嵌して孔雀を表現している。
・「ハウス・ビューティフル」
・「美術産業製品」-唯美主義のデザイナーと営利企業
・オスカー・ワイルド、唯美主義運動と諷刺
・「美しい書物(ブック・ビューティフル)」
・唯美主義におけるデカダンス
・輝かしい落日-唯美主義後期の絵画と「ニュー・スカルプチャー」

英国が"行け行けドンドン"だったヴィクトリア女王統治の時代に重なり、ウィリアム・モリスが主導したアーツ・アンド・クラフツ運動の時期ともだぶります。

作品の特徴としては、とにかくうっとりするほど美しい。優美、豊かな装飾性。
「ただ見る人の目を歓ばせるために存在し、大胆にも官能の悦楽までほのめかそうと願うような芸術」(展覧会の監修者=元V&A学芸員のことば)

モチーフとしてよく登場しているのが孔雀(オス)。
その羽の豪華さ、色彩の美しさが人々を虜にしたのでしょう。私も孔雀の皿やブローチは欲しいなぁ、と思ったほど。


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