カリフォルニア・デザイン1930-1965 “モダン・リヴィングの起源”

六本木の国立新美術館で開催していた「カリフォルニア・デザイン1930-1965　“モダン・リヴィングの起源”」展、3月に美術館巡りで上京した友人がお勧めだったので、会期終了間際に行ってきました。



カリフォルニアにおける「ミッドセンチュリー・モダン」デザインをテーマにした展覧会。
カリフォルニアの温暖な気候や楽観主義的な風土、そしてアジア、メキシコに近いという立地から、開放性や鮮烈な色彩を特徴とする気楽で快適な「グッド・ライフ」デザインの典型が誕生したのです。（展覧会チラシより引用）

会場構成は次のとおり。

０．イントロダクション
日用品の生産におけるカリフォルニア州の革新的な取り組みが、いかにしてモダン・リヴィングを広めていったのかを紹介。

導入部分には、チャールズ・イームズとレイ･イームズが1945年に制作した成型合板による子供用玩具の象（象の背中に跨って遊べるスツールくらいの大きさ）が展示されていました。
イームズ夫妻は、1914年にロサンゼルスに移住。
第二次世界大戦中に負傷兵のためのレッグ・スプリント（脚用の添え木）を制作。成型合板で複合的なカーヴをつくる実験を試みた。この技術の進歩により成型合板による家具や製品を大量生産するという目標を実現した。

１．カリフォルニア・モダンの誕生
1930年代にどのようにしてカリフォルニアの地域的なスタイルが現れるようになったのかについて検証。

２．カリフォルニア・モダンの形成
成型合板やファイバーグラスといった新素材によってもたらされた新たなデザインの躍進を探求。

３．カリフォルニア･モダンの生活
戦後の経済的な繁栄とカリフォルニアの爆発的な人口増加により、新たな住宅やモダンな家具の需要がいかにして生まれたのかについて検証。

４．カリフォルニア･モダンの普及
アメリカ国内外の人々に「カリフォルニア･ルック」がどのように普及されたのかを提示。

会場にはイームズ作品ができる様子を映像紹介するコーナーがあり、スクリーンの前にはイームズ･チェアが置かれ、その座り心地を体感しながら知識を深められるという工夫がなされていました。

まったくの偶然ですが、イームズの映画を見た直後に彼らの家具を目にでき、うれしい連続鑑賞となりました。

家具、ファッション、陶芸、グラフィック、建築写真、映像など約250点の作品が所狭しと並べられ、なかなか充実した展覧会でした。


本当は東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催していた「デザインあ」展も観たかったのですが、長い列ができる異常な人気で断念。（空いている時期に行っておくべきだった。。）



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タグ：六本木 美術館 デザイン カリフォルニア

ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ

映画の日、シネマート六本木で「ふたりのイームズ　建築家チャールズと画家レイ」を観てきました。



原題：Eames： The Architect & The Painter　監督：ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
アメリカ/2011/84分

画家を目指すレイ（1912.12.15－1988.8.21、なんとチャールズの10年目の命日に死去）と、当時妻がいた建築家チャールズ（1907.6.17－1978.8.21）
あの有名なEames Chairをはじめ、シンプルで洗練されたデザインの家具を生み出した。
出会い、恋に落ち、ビジネス・パートナーとしてイームズ・オフィスを立ち上げた二人のドキュメンタリー映画。
当時、オフィスで働いていたスタッフや家族たちへのインタビューや二人の実際の映像を通じて、彼らの関係や作品が生み出された背景などが語られます。

成型合板やグラスファイバーなどの新素材を使った椅子が完成するまでの試行錯誤や、彼らが暮らしたロサンゼルス郊外の森の中に建てたモダンな住宅、男女の役割とパートナー関係など、いろんな視点で興味深い映画です。
そして、座り心地のいい素敵な椅子がほしくなってきました。


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タグ：ドキュメンタリー