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福田美蘭展 [アート&デザイン]

上野の東京都美術館で開催中の「福田美蘭展」が面白いです。

20130803 福田美蘭展.JPG
「アカンサス」2013年、作家蔵

福田美蘭(ふくだ・みらん 1963年生まれ)
東京藝術大学卒業の現代アーティスト。トリックアートの巨匠、故福田繁雄さんの娘でもあります。

会場構成は次のとおり。

Ⅰ 日本への眼差し
・黒田清輝の「湖畔」を原寸大でカラーコピーし、その外側に画面を拡大して描いた絵画作品。
・北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 あの大きな波が覆いかぶさる中に富士山が見える浮世絵。でも、小波に舟がこんなに浮かんでいたっけ?あぁ、左右反転させてある。
・展示会場へエスカレータで降りた場所に置かれた白い「胡蝶蘭」 展覧会開催のお祝いの花だね。でも垂れ下がっている枝が1m以上もあるよ。これって本物?と花びらを友人と一緒に触って確かめていたら、スタッフが近づいてきて「お客様、こちらは展示作品なので触れないようにお願いします」と注意されてしまった。
 
見たことあるけど、どこか違うと感じたのはそういうことだったのですね。

Ⅱ 現実への眼差し
イラク戦争、阪神淡路大震災、太平洋戦争、9.11のテロなど。人災、天災、ショッキングな現実から制作された作品群。
「ブッシュ大統領に話しかけるキリスト」「淡路島北淡町のハクモクレン」「サイパンのバンザイ・クリフで黙礼する天皇、皇后両陛下」「世界貿易センタービルの展望台」など。

Ⅲ 西洋への眼差し
実験的な作品が並びます。
「床に置く絵」 宗教画が床に置かれ、絵の上に載っても構わないと書かれていますが、“踏み絵”のように感じるらしく、躊躇している親子の目の前で私がズカズカと額の内側に足を踏み入れたら、その勇気に喝采を受けました。
「ポーズの途中に休憩するモデル」 モナ・リザが、あの絵画の背景そのままに、ポーズをとるのに疲れたのか、ベンチにしなだれかかって休んでいます。

Ⅳ 今日を生きる眼差し
東日本大震災という出来事のあとに描かれた作品群、「春-翌日の朝刊一面」「夏-震災後のアサリ」「秋-悲母観音」「冬-供花」
心理までも描写しているような「受胎告知」

同年代の彼女の作品、独自の視点で制作されていて、見終わったあと、なぜか爽快感。
ますます注目のアーティストです。


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タグ:現代アート
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