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若冲が来てくれました プライスコレクション江戸絵画の美と生命 [アート&デザイン]

伊藤若冲をはじめとする江戸時代を代表する画家の名品を多数所有しているジョー・プライスさん(ロサンゼルス郊外在住)

東日本大震災に遭った東北の人々、とくに未来を担う子供たちに日本の美しいものを見てもらいたいというプライス夫妻の強い思いにより実現した展覧会。
東日本大震災復興支援「若冲が来てくれました プライスコレクション江戸絵画の美と生命」
20130615 10若冲が来てくれました.jpg

お二人は被災地の様子をアメリカの自宅でテレビ映像で見てショックを受け、と同時に、瓦礫のなか、梅の木に白い花が一輪咲いている姿に希望を見い出し涙したそうです。

震災にあった仙台市(仙台市博物館)に始まり、今は盛岡市(岩手県立美術館)、最後に福島市(福島県立美術館)と巡回します。
2006年に“最後の里帰り”と称して上野の東京国立博物館で展覧会が開催されたときも、若冲作品を所蔵する静岡県立美術館や滋賀県のMIHO Museumへも若冲の絵画見たさに出かけましたが、先日の東北出張の際、せっかく仙台まで行ったのだから、盛岡に行くしかないでしょ。遠いところから若冲がやって来てくれたのですから。

展示作品には、子供たちや普段美術になじみのない人にもアートを自然体で楽しんでもらおうというジョーさんの意図にしたがい、わかりやすいタイトルや解説が付けられています。

会場構成と印象に残った作品は次のとおり。
(子ども向け作品名「作品名」作者、制作年)

第1章 ようこそプライスワールドへ
1)目がものをいう
 アメを売るひと「飴売り図」絵:鈴木其一・賛:酒井抱一、19世紀
2)数がものをいう
 松・竹・梅にあつまるたくさんの鳥「松竹梅群鳥図」中住道雲、18~19世紀
 ツルの行列「群鶴図屏風」鈴木其一、19世紀
3)○と△
 雪の夜の白いウサギと黒いカラス「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」葛蛇玉、1774年
 白いゾウと黒いウシ「白象黒牛図屏風」長沢芦雪、18世紀

第2章 はる・なつ・あき・ふゆ
 貝と梅の実「貝図」鈴木其一、19世紀

第3章 プライス動物園
 サルを連れ去るタカ「鷹と猿図」柴田是真、1885年

第4章 美人大好き
 
第5章 お話きかせて
 
第6章 若冲の広場
 アジサイの花と二羽のニワトリ「紫陽花双鶏図」伊藤若冲、18世紀

第7章 生命のパラダイス
 花も木も動物もみんな生きている「鳥獣花木図屏風」伊藤若冲、18世紀

本展覧会のテーマは「美」と「生命力」
ジョーさんが絵を見るときに大事にしていることは、誰が描いたかということよりも、まず、その絵が美しいかどうかということだそうです。
彼の審美眼にかなった絵画は、共通して美しさ、品の良さを感じる一方で、思わずクスッと口元がほころんでしまうユーモアにあふれているような気がします。そして、そんなプライスコレクションが私は大好きです。

常設展示室も覗いてみましたが、こちらにも素敵な作品がいくつもありました。

色彩が好きな私の目に飛び込んできた百瀬寿の「Square」という作品群。
20130615 7岩手県立美術館5.JPG

船越保武の「聖セシリア」 20130615 7岩手県立美術館7.JPG

岩手県出身の彼は家族でキリスト教の洗礼を受けたそうです。なるほど、キリスト教関連の作品が多い理由がわかりました。

彼の息子、船越桂の作品、「会議」のための習作
20130615 7岩手県立美術館4.JPG

二人の作品に共通する雰囲気を言葉に表すと「静謐」
そして、そんな静謐という言葉がこの美術館にはピッタリ。建物も素敵なんです。

20130615 7岩手県立美術館1.JPG
エントランスから続くグランド・ギャラリー

途中にある休憩スペース、ラウンジからは中央公園の小高い丘や遠くの山が望めます。
20130615 7岩手県立美術館2.JPG

2階からグランド・ギャラリーを見下ろすとこんな感じ。
20130615 7岩手県立美術館3.JPG

20130615 7岩手県立美術館6.JPG
Kate Thomson「Moon Dance」

いい旅でした。


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タグ:江戸絵画
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