世界文化遺産 平泉に行ってきました [旅 東北]
こんにちは、“永遠の旅人”です。
プライベートの旅行先でよく選ぶのが世界遺産。
今回の「みちのく一人旅」の行き先を考えるとき、地図を見ていて平泉に思いあたりました。
一ノ関から東北本線の普通列車で二つ目が平泉駅。
世界文化遺産 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群-
平泉の文化遺産は2011年6月、ユネスコ世界遺産に登録されました。(テレビ番組のナレーション風に~)
対象となったのは、中尊寺や毛越寺をはじめとする仏教寺院や浄土庭園など、平安時代末期に奥州藤原氏が築いた、華麗な黄金文化の遺産群。日本固有の自然崇拝思想などと融合した仏教、特に「浄土思想」に基づき、仏国土(浄土)を現世に表現するためにつくられた独特の事例であることなどが評価されました。(紹介パンフレットの説明文より引用)
限られた時間なので、8時には平泉駅に到着し、駅前でレンタサイクルを借りてスーイスイと移動。
(レンタル屋さんはまだ開店前だったのですが、他の観光客の男性と店先で待っていると、通りがかりの町民の方が親切に声をかけてくれました)
最初に向かったのは天台宗東北大本山、中尊寺。
850年、慈覚大師円仁が開山。藤原氏初代の清衡(きよひら)公が前九年・後三年の合戦で亡くなった命を敵味方区別なく平等に供養し、仏国土(仏の教えによる平和な理想社会)を建設するため、大伽藍を造営しました。
自転車を停めて、ここ月見坂から奥へと進んでいきます。結構な上り坂です。
境内全域が特別史跡
拝観券の発行所で券を買い求め、隣接の讃衡蔵(さんこうぞう)で仏像・仏具、経典・書画、藤原氏の副葬品など、国宝・重要文化財(3千点あまりを収蔵)の数々やビデオによる金色堂の説明を拝観します。
そして、いよいよ国宝・金色堂(こんじきどう)。
覆堂(おおいどう)は地味ですが、内側に眩しいほどの金色堂があります
1124年造立の現存する唯一の創建遺構。
ご本尊は阿弥陀如来。脇侍に観音、勢至菩薩、さらに六体の地蔵菩薩と持国天・増長天が本尊を取り巻いている。
堂全体(それこそ縁も屋根もすべて!)を金箔で覆い、皆金色(かいこんじき)の極楽浄土を現世に表しています。
煌びやかな金色とともに目を奪われるのが柱や桟にびっしりと施された螺鈿細工・蒔絵。圧倒されます。
中央の須弥壇(しゅみだん)の内には初代清衡公、向かって左の壇には二代基衡(もとひら)公、右が三代秀衡(ひでひら)公と四代泰衡(やすひら)公のご遺体が納められています。
(残念ながら内部は写真撮影禁止なので、しっかりと目に焼き付けてきました)
覆堂のそばには松尾芭蕉の句碑があります。
「五月雨の 降り残してや 光堂」
付近には経蔵(きょうぞう)、旧覆堂などが緑のなかにひっそりと建っています。
赤い鳥居をくぐり脇道を白山神社のほうに歩いていくと、竹林の一角に句碑を見つけました。
東北出身・山口青邨の俳句「人も旅人 われも旅人 春惜しむ」
その先には重要文化財、白山神社能舞台があり、さらに白山神社があります。(全国各地にある白山神社、私の出身・石川県の霊峰白山への信仰から全国に広まったもの)
茅の輪をくぐりました
中尊寺から次に向かったのは、平泉文化遺産センター。
金鶏山を背後にした丘に建つ、平泉の歴史や文化遺産の概要を紹介する施設です。(入場無料)
最後の目的地は特別史跡・特別名勝の毛越寺(もうつうじ)。
藤原氏二代基衡、三代秀衡が造営した浄土庭園と臨池伽藍跡です。
荒磯の風情を表現する出島と池中立石(ちちゅうたていし)
毎年6月20日~7月10日は「あやめまつり」が開催されます。
山水を中心の大泉が池に取り入れるための水路、遣水(やりみず)も当時のまま残り、毎年5月第四日曜には平安時代の遊びを再現した、遣水に盃を浮かべ、流れに合わせて和歌を詠む「曲水(ごくすい)の宴」が催されます。
常行堂のそば、地蔵菩薩。穏やかな表情に心が癒されます。
毛越寺にも芭蕉の句碑があります。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
世界遺産には、中尊寺、毛越寺のほか、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山も含まれます。
【おまけ】
昨日、富士山が世界文化遺産に登録されることが決定しました。
いつ見ても美しい富士山。そして、立山、白山とともに日本の三名山にも挙げられ、信仰の対象にもなっている山。
世界遺産登録に合わせ、ますます観光客(登山客)が増え、環境破壊の問題も懸念されているとのこと。
実は私もかねてから是非頂上まで上ってご来光を拝みたいと願っている者の一人。しかし、それでいいのかと最近疑問も感じるようになっているのが正直なところ。
日本では、もともと「山」に対して二つの信仰があり、一つは遠くから眺めて神秘を感じ、山の神に感謝を捧げる「遥拝」、もう一つは、山中に分け入って厳しい修行を積み、宗教的境地を目指す「修験」があるとのこと。
富士山への対し方は前者のほうがいいのかな、と思う今日この頃。
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プライベートの旅行先でよく選ぶのが世界遺産。
今回の「みちのく一人旅」の行き先を考えるとき、地図を見ていて平泉に思いあたりました。
一ノ関から東北本線の普通列車で二つ目が平泉駅。
世界文化遺産 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群-
平泉の文化遺産は2011年6月、ユネスコ世界遺産に登録されました。(テレビ番組のナレーション風に~)
対象となったのは、中尊寺や毛越寺をはじめとする仏教寺院や浄土庭園など、平安時代末期に奥州藤原氏が築いた、華麗な黄金文化の遺産群。日本固有の自然崇拝思想などと融合した仏教、特に「浄土思想」に基づき、仏国土(浄土)を現世に表現するためにつくられた独特の事例であることなどが評価されました。(紹介パンフレットの説明文より引用)
限られた時間なので、8時には平泉駅に到着し、駅前でレンタサイクルを借りてスーイスイと移動。
(レンタル屋さんはまだ開店前だったのですが、他の観光客の男性と店先で待っていると、通りがかりの町民の方が親切に声をかけてくれました)
最初に向かったのは天台宗東北大本山、中尊寺。
850年、慈覚大師円仁が開山。藤原氏初代の清衡(きよひら)公が前九年・後三年の合戦で亡くなった命を敵味方区別なく平等に供養し、仏国土(仏の教えによる平和な理想社会)を建設するため、大伽藍を造営しました。
自転車を停めて、ここ月見坂から奥へと進んでいきます。結構な上り坂です。
境内全域が特別史跡
拝観券の発行所で券を買い求め、隣接の讃衡蔵(さんこうぞう)で仏像・仏具、経典・書画、藤原氏の副葬品など、国宝・重要文化財(3千点あまりを収蔵)の数々やビデオによる金色堂の説明を拝観します。
そして、いよいよ国宝・金色堂(こんじきどう)。
覆堂(おおいどう)は地味ですが、内側に眩しいほどの金色堂があります
1124年造立の現存する唯一の創建遺構。
ご本尊は阿弥陀如来。脇侍に観音、勢至菩薩、さらに六体の地蔵菩薩と持国天・増長天が本尊を取り巻いている。
堂全体(それこそ縁も屋根もすべて!)を金箔で覆い、皆金色(かいこんじき)の極楽浄土を現世に表しています。
煌びやかな金色とともに目を奪われるのが柱や桟にびっしりと施された螺鈿細工・蒔絵。圧倒されます。
中央の須弥壇(しゅみだん)の内には初代清衡公、向かって左の壇には二代基衡(もとひら)公、右が三代秀衡(ひでひら)公と四代泰衡(やすひら)公のご遺体が納められています。
(残念ながら内部は写真撮影禁止なので、しっかりと目に焼き付けてきました)
覆堂のそばには松尾芭蕉の句碑があります。
「五月雨の 降り残してや 光堂」
付近には経蔵(きょうぞう)、旧覆堂などが緑のなかにひっそりと建っています。
赤い鳥居をくぐり脇道を白山神社のほうに歩いていくと、竹林の一角に句碑を見つけました。
東北出身・山口青邨の俳句「人も旅人 われも旅人 春惜しむ」
その先には重要文化財、白山神社能舞台があり、さらに白山神社があります。(全国各地にある白山神社、私の出身・石川県の霊峰白山への信仰から全国に広まったもの)
茅の輪をくぐりました
中尊寺から次に向かったのは、平泉文化遺産センター。
金鶏山を背後にした丘に建つ、平泉の歴史や文化遺産の概要を紹介する施設です。(入場無料)
最後の目的地は特別史跡・特別名勝の毛越寺(もうつうじ)。
藤原氏二代基衡、三代秀衡が造営した浄土庭園と臨池伽藍跡です。
荒磯の風情を表現する出島と池中立石(ちちゅうたていし)
毎年6月20日~7月10日は「あやめまつり」が開催されます。
山水を中心の大泉が池に取り入れるための水路、遣水(やりみず)も当時のまま残り、毎年5月第四日曜には平安時代の遊びを再現した、遣水に盃を浮かべ、流れに合わせて和歌を詠む「曲水(ごくすい)の宴」が催されます。
常行堂のそば、地蔵菩薩。穏やかな表情に心が癒されます。
毛越寺にも芭蕉の句碑があります。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
世界遺産には、中尊寺、毛越寺のほか、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山も含まれます。
【おまけ】
昨日、富士山が世界文化遺産に登録されることが決定しました。
いつ見ても美しい富士山。そして、立山、白山とともに日本の三名山にも挙げられ、信仰の対象にもなっている山。
世界遺産登録に合わせ、ますます観光客(登山客)が増え、環境破壊の問題も懸念されているとのこと。
実は私もかねてから是非頂上まで上ってご来光を拝みたいと願っている者の一人。しかし、それでいいのかと最近疑問も感じるようになっているのが正直なところ。
日本では、もともと「山」に対して二つの信仰があり、一つは遠くから眺めて神秘を感じ、山の神に感謝を捧げる「遥拝」、もう一つは、山中に分け入って厳しい修行を積み、宗教的境地を目指す「修験」があるとのこと。
富士山への対し方は前者のほうがいいのかな、と思う今日この頃。
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中尊寺、中学生の修学旅行で行きました~。毛越寺にも行ったわ。懐かし~。
by cecileyvr (2013-06-24 01:37)
★Cecileさん、東京の中学生は修学旅行に東北ですかぁ。
地域によって行き先が違いますよね。私が中学の時の修学旅行は東京と京都でした(たしか)。それにしても東京と関西を連続って無理やり感がありますね、今となっては。
by いっこ (2013-06-27 00:47)